弁政連ニュース
特集〈座談会〉
子どもたちを虐待から守るために
〜改正児童福祉法・児童虐待防止法のこれから〜(1/6)
〜改正児童福祉法・児童虐待防止法のこれから〜(1/6)
奥山 眞紀子 氏
医師
日本児童虐待防止学会理事長
東 玲子 氏
川崎市こども家庭センター常勤弁護士
神奈川県弁護士会会員
磯谷 文明 氏
日弁連子どもの権利委員会事務局長
東京弁護士会会員
【石井】本年は国連が子どもの権利条約を採択して30年という節目の年ですが、東京都目黒区や千葉県野田市で痛ましい事件がございました。今般の通常国会では児童福祉法、児童虐待防止法などの改正がなされました。本日はこの問題の専門家の皆さんに今般の改正の意義と今後の課題についてお聞きしたいと思います。
最初に皆さんから自己紹介をいただけますか。
【奥山】私は小児科医で、1980年代後半に子どもの心の診療を目指してアメリカで勉強をしたのですが、当初虐待は日本の問題ではないと思っていたところ、「虐待」の問題を知るにつれて、実はアメリカに行く前にも日本で相当数の虐待に出会っていたことを認識しました。そこで、日本でも相当な虐待問題があると考えて、日本に帰ってきて、虐待問題に関係するようになりました。それから現在に至るまで虐待問題に取り組んできました。
【東】私は、神奈川県横須賀市の一般的な法律事務所で勤務弁護士として働き始めました。少年事件を多く担当し、虐待環境が背景にありながら非行という形で家庭裁判所に送られてきた子どもたちが「悪いことをした」と反省し、虐待をしてきた親からも「反省してこい。」と言われて少年院送致になることを何件も経験しました。その中で、非行の手前の虐待の段階で関わりたいと思い、神奈川県弁護士会の子どもの権利委員会の虐待防止部会(現・子どもの福祉部会)に所属しました。2006年に横須賀市が中核市として児童相談所(以下「児相」)を立ち上げた時から嘱託の弁護士として関わり、それ以来、児相の嘱託や非常勤の弁護士をしています。2019年4月から川崎市の常勤弁護士として勤務しています。
【磯谷】私は、2019年6月から日弁連の子どもの権利委員会の事務局長をしております。本日はそういう立場で参加させていただきますが、私自身も随分長く子どもの虐待の問題には関わってきまして、主に東京都の児相の法的支援を行ってきました。
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