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弁護士議員に聞く


丸山 和也 議員
丸山 和也 議員

参議院・比例(自由民主党)
第一東京弁護士会会員

(インタビュアー 企画委員会委員長代行 豊田 賢治)

法曹から国会議員を目指したきっかけ
未知の世界に飛び込んでみたかった

きっかけは、大きく二つあります。直接には、ちょうど2007年の参議院選挙の前に自民党の塩川正十郎先生から出馬してはどうかと誘われたことです。もう一つは、それまで10年近くマスコミに関わってきて、自分の生き方としてそれまでとは異なる角度からチャレンジをしたいと、法律の世界とも異なる未知の世界に飛び込んでみたいという好奇心が湧いたことです。

法曹資格が議員活動に与える影響
政界でも自分の生き様を貫く

弁護士の肩書で当選しているので、法務委員会に所属して、司法制度改革に携わって、というのはもちろんあります。ただ、弁護士業務をしていたときの自分はある意味一匹狼で自分の好きなようにやっていたわけですが、政界、特に参議院というところは古いしきたりに縛られた権威主義の世界で、元々議員出身の方であれば分かりきったことなのかもしれませんが、自分には合わず、なかなか苦しい時期がありました。それでも私は自分の生き様を貫いて、個人の視点を強調してやっています。なので、派閥にも属さず、また金集めの政治資金パーティーもやらないと決めて、今までのところ一切やらず、やせ我慢を貫いております。

実現したい政策課題
個人の権利を護る司法大国をつくる

とにかく司法を強くして、司法中心の国家・社会をつくるということですね。日本の社会は本当に個人の権利主張の弱い社会で、組織・集団の統制が強く、個人の自由という視点から見ると、法の支配には程遠い状況と感じます。いわば「世間法」が憲法の上にあり、個人がこの世間という目に見えない集団に縛られていることをつくづく感じます。個人の自由や主張を表明する場として司法を活用するなら、司法は、日本の社会、文化の在り方を構造的に変える力を内に秘めているはずです。そのうえで、司法を通じて個人の権利を強く保護する司法大国にならないといけないと考えます。この点では、日本の裁判所はもっと個人の権利や利益、主張を大胆に認める方向に姿勢を変革しなくてはいけません。日本の司法界の最大の問題は、裁判所の意識の低さにあります。

議員になった実感と法曹へのメッセージ
若いうちは弁護士業務を究めてほしい

正直、弁護士ほど素晴らしい職業はないと思います。まず、自由。生活設計が自由で、不当なことに対しては断固として闘うことができますし、いろいろな分野で幸福実現のためにプロとして独立して活躍できるのは他の職業にはない特長です。政治家となると、地方議員はまだよいですが、国会議員は弁護士出身でも数多くの中のただの一議員で終わってしまい、期待した成果を得られない可能性が高いかもしれません。特に若い方には、とにかく問題解決のための交渉や訴訟などを通じて、弁護士の権限を最大限に活用してみることをお勧めします。個人の生き方、社会の在り方、国の在り方などを個々の事件を通じて問い直すことができます。その中で人間としての成長が大いにあるはず。議員になるのはもっと年配になってからの方がずっと良いと思います。


テレビでよく拝見していた丸山先生に直接お会いすることができました。丸山先生はテレビに出演していたときと同じくダンディーな出で立ちで、お話の内容は厳しさをにじませるもので、弁護士であっても政治家であってもプロフェッショナルだなという印象を強く受けました。(豊田賢治)


>>仁比聡平議員


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