弁政連ニュース
特集〈座談会〉
弁護士会と自治体の連携
~弁政連の役割~(1/6)
~弁政連の役割~(1/6)
司 会 菊地 裕太郎 副理事長
緒方 俊平 氏
広島支部長
田邊 護 氏
山梨支部事務局長
庄司 正樹 氏
三重県支部事務局長
湯澤 晃 氏
群馬弁護士会
元副会長
佐藤 克哉 氏
新潟県弁護士会
元副会長
【菊地】弁政連支部から5名の先生にお集まりいただき、弁護士会と自治体・行政との連携というテーマでお話をいただきます。弁政連各支部が弁護士会と自治体連携についてどのような活動を行っているか多角的にご報告・ご意見いただきたいと存じます。
私は弁政連の副理事長・組織強化委員長という役目と日弁連の自治体等連携センターのセンター長を務めているということで本日の司会をさせていただきたいと思います。早速ですが、各支部で取り組んでいる行政連携の事案、事例をご紹介いただいて、うまくいっているうまくいかなかったというような点も含めてご紹介いただきたいと思います。
【緒方】24期で広島支部の代表を務めております。広島支部は初期の頃は弁政連本部から色々な要請をいただいて議員に対する要請行動が多かったと思います。ところがその要請がない時はなかなか目に見える活動ができていないというのが実情でした。若手と話をしてみると面白くないと、どうにか工夫をしなければいけないということから、もっと自由にのびのびとさまざまな発想を元に活動するべきではないかと盛んに話し合った結果、かなり面白いアイデアが若手から出てきて、それを一つ一つ実現していこうという気風がうまれてきました。失敗例からいいますと、これは私の事務所の若手の弁護士が苦労した事件で、市役所を務めあげる寸前の人が自転車に乗って歩道を軽く走っていて、76歳のおばあさんとぶつかって彼女はお亡くなりになりました。相手方に代理人がついて、2800万くらいの請求が来たと、保険に入っていなかったと。たかが自転車で、たかが歩道で、たかが軽く当たったぐらいでという誰もが思いました。しかし事故結果は重大なもので、頭を打って命が失われる。彼は保険に入っていなかったのです。そのことによって人生が決定的に変わってしまう退職金を失う危機にも直面しました。市役所と警察に働きかけてこういう不幸が起きないような予防措置というものを条例化できないだろうかと取り組みました。条例を作って欲しい。議員さんに私たちが知恵を出すから議員提案でつくってもらってもいいし、どうだろうかと。最終的に理解できたのは条例というのはトップダウン、首長がよしやろうということで下におろすという形でないとできない。それから実証、その条例によってどんな風に社会が変化したか、どう良くなったかということが検証できるかどうか。じゃあどうすればいいのか、せめて保険にはみんな入ってほしい。自転車に保険がついていると錯覚しがちだけど自転車の保険の種類はこうですよ、それから自分の傷害保険の中でカバーができるかどうかよく見てくださいというのを広めていこうと。特に中学生、小学生とか子どもに親が自転車を買い与えて通学に使っている場合も保険がカバーされているのかどうしたらいいのか。だいぶ市と相談したのですが、消費者委員会などを通じてこういうことは気を付けようというしかなかった。もっと実務的に考えないといけなかった。最初の思いつきの行動で、最初のとん挫だったわけです。歩道を年配の奥さんが自転車でぶらぶらとしていて、そこにロープがあって躓いて転んでしまった。眼鏡が壊れてけがをした。これも裁判になったわけです。自転車は車道と歩道どっちを走ればいいのか。これは法律的にも行政的にも明確になっていない中で様々な事件が起きている。警察とも何度も話しましたが、お手上げなんですと。しかしこれを期に弁政連の若手はもっといろいろ考えながら現実的にやっていきましょうということで、特殊詐欺、オレオレ詐欺の対策を県警と連携してやっとうまく行きかけています。やっとそういう方向に来つつあります。
弁護士会ができることと弁護士会ではなかなか取り組みにくい問題もあり、これを弁政連でやろうという発想があります。弁政連としては市会議員、県会議員と非常に仲が良くなっています。一人一人と、それがずっと続いた中でその人たちと話をして条例を作って少しでも社会を良くしていきたいという動機ですかね。その中からそういう条例を作ろうという方向に入っていったという前提があるとご理解ください。
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