弁政連ニュース
新春インタビュー(3/3)
仙谷由人内閣官房長官にきく
― 今後の日本の社会あるいは国際社会において、日本の弁護士・弁護士会が果たすべき役割について、どのようにお考えでしょうか。期待・要望などもありましたらお聞かせください。
先ほども申しましたように、今の時期は、私の時代認識としては、グローバリゼーションの荒波の中で日本が本格的に第三の開国期に直面している時期であると思います。この大変な時期に日本はどのようにすれば生き残っていくことができるのか。一つの大きな問題は、対外政策、TPPとかEPA等で日本がどうやって国を開いていくのかという問題です。ここは新しい成長戦略を作り、世界の中でも優れている日本の要素技術をパッケージにし、例えばグリーンというコンセプトの下に貢献しながら世界に打って出なければいけません。
このような時代に重要なのは、海外に出て行く気概、昔で言えば海外雄飛の気概というんでしょうか、もう一遍世界を舞台に日本人が生き生きと働いて、現地の人にも感謝される日本人になるということが、社会としても戦略的にも非常に重要な段階にきているところだと思います。
今、日本の若者は、商社に就職した人ですら海外に行きたがらないという話があります。社会全体、あるいは特に若者がこのように保守化してしまっては、この大変なグローバリゼーションの時代に生き残っていくことはできません。弁護士は、日本の企業が海外で活躍し、外国の企業と渡り合うために重要な存在です。他方、外国での法整備やNPO法人での活動などを通して、現地の人に「ありがとう」と言われることのできる存在でもあります。国際的に活躍している弁護士の方々も沢山いることは知っていますが、もっともっと海外で活躍して欲しいと思います。専門的な知見をもった人材が元気にどんどん海外に打って出る、野球やサッカーの様に、海外でプロフェッショナルと渡り合い、切磋琢磨し、日本に戻って社会全体のレベルを押し上げていく、そうした活動を弁護士と弁護士会には是非やっていただきたいと思います。
― 最後に、これからの法曹界を担っていく若手弁護士へのメッセージをお願いします。
これからの時代は、産業構造の転換に伴い社会も新しく再構築されていかなければならない時代です。これからの時代を担う若い人たちが様々な分野に挑戦し、壁にぶつかり、そしてまた立ち上がり挑戦していく、その繰り返しが日本の社会の力になり、新しい日本を作っていくことになります。弁護士の増加によって仕事のパイが少なくなった、就職が難しくなったと嘆くのではなく、新しい時代に新しい領域に挑戦する、今はチャンスの時なのだという気概を持って生き生きと仕事をしていただきたいです。困難な道にこそ本当に価値ある道があるのです。
ベテランの弁護士の皆さんも、是非、未来の日本のために若手の弁護士を育て、その挑戦を応援していっていただければと思います。
以上
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