弁政連ニュース
特集〈座談会〉
行政府への出向者 大いに語る
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- 司会
- 鈴木善和 幹事長
- 柳楽久司 広報委員会副委員長
相澤 豪(54期)
東京弁護士会所属
内閣官房国家戦略室
岡本 正(56期)
第一東京弁護士会所属
内閣府行政刷新会議事務局
上席政策調査員
島村 謙(60期)
第二東京弁護士会所属
内閣府行政刷新会議事務局
職員の声担当室
大臣官房企画調整課(税制調査会担当)
上席政策調査員
江黒早耶香(新61期)
第一東京弁護士会所属
内閣官房国家戦略室
はじめに~着任の経緯と担当分野
【鈴木】今回は行政組織の中で活動されている弁護士の方にお集まりいただきました。弁政連は、2010年度の活動方針の中で、弁護士の新たな活動分野として政治・行政の場を位置づけると宣言していますが、ここにお集まりいただいた皆さんはいわばその先端を走っているということで、弁政連としても大変頼もしく思っております。それでは、始めに、今の部局に入られた経緯と、そこでどのような仕事をされているのかを、簡単に自己紹介を兼ねてお話しいただければと思います。
【岡本】56期の岡本です。昨年の政権交代を機に、内閣府に行政刷新会議事務局が設置されたことは記憶に新しいことと思います。 ここでは、弁護士や公認会計士ほか民間出身者も多数参加した上で、官民一体となって行政改革をする方針とのことでした。私の場合は、昨年5月頃より、弁政連企画委員会副委員長として行政庁や与野党国会議員の方々との勉強会などの企画に携わらせて頂いた経験から、立法・行政分野での法曹の役割に興味を持ったことがきっかけとなっています。着任は昨年(2009年)の10月でした。行政刷新会議事務局では国の事業仕分けを11月に行いました。事業仕分けを主催する行政刷新会議の事務局職員として、「上席政策調査員」という肩書で業務に就いています。最初の年は事業仕分けの準備等につきっきりでした。年が明けても4月と5月に独立行政法人と公益法人の事業仕分けがありましたので、事務局として調査をしたり、評価者(仕分け人)の方とヒアリングをしたりといった作業をさせていただきました。
【相澤】54期の相澤です。私は、国家戦略室立上げに関わられていた政務の方よりご指名をいただいたことがきっかけで、去年の12月から国家戦略室に在籍しております。弁護士として登用頂いておりますが、企業の戦略コンサルタントとしての経験があったので、政策の企画立案や総合調整という幅広い業務を行う国家戦略室の人選に際して、そういった経験を買っていただいたのではないかなと思っています。国家戦略室では、これまでは新成長戦略、財政運営戦略、新年金制度、社会保障と税に関わる番号制度と、大きくはこの4つについてとりまとめなどを行ってきているのですが、私はこのうちの社会保障と税に関わる番号制度のチームリーダーを担当しました。具体的には、制度のあり方・設計や検討の進め方について、国家戦略室長や番号制度検討の責任者(当時副総理)などに報告・相談しつつ、関係各省の意見等を調整し、関係各省の政務の方々が集まる会合を開催しながら、議論を収斂させていくという業務でした。弁護士業務で言えば、例えば事業 再生において色々な債権者の意見を聞きながら再生計画を立案していく債務者代理人の仕事のイメージに近いといえば分かりやすいかもしれません。
【江黒】新61期の江黒です。私は昨年の12月下旬に着任しました。所属事務所がスタッフ募集の情報を得て、応募させていただいたという経緯です。私は新成長戦略の中の雇用人材戦略とアジア経済戦略のチームにアサインされていました。中でも雇用人材戦略の中の子育ての分野を主に担当していまして、そのほか、雇用人材戦略の女性に関する分野や、アジア経済戦略のうちヒトの流れや国際標準化の部分に携わっていました。
【島村】60期の島村と申します。勤務先の部署名は内閣府行政刷新会議事務局の職員の声担当室と、税制調査会の事務局をしている内閣府大臣官房企画調整課に併任となっています。着任は平成21年11月で、企画調整課の併任は年明けからです。知人を通じてお声がけをいただいたのがきっかけです。政権が変わって新しい政府ができるというところで、大きく国の制度も変わっていくという中で、政府の中でお手伝いできることがあれば、という思いから引受させて頂きました。日常の仕事は大きく分けて3つあるのですが、「職員の声」ということで各省庁等の役人の方々から業務改善についての提言等を受け付けて、その裏付けや実現可能性を調査して、政務三役に報告を上げ、重要なものを実現プロセスに乗せるという業務です。2つめは、税制調査会というのがありまして、その中の専門家委員会で、官僚とはまた違った角度での調査等のサポートをさせていただいています。3つめは行政機関情報公開法と独立行政法人等情報公開法という法律がありまして、その改正案を作る行政透明化検討チームというのがありまして、そちらの事務局をやっております。業務の比重はその時々によりますが、今は情報公開法改正業務がピークです。
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