弁政連ニュース

INTERVIEW

政治分野における男女共同参画推進の課題(3/4)

グラスシーリング(硝子の天井)と言いますよね。

これもいろいろと問題ありと思っています。

最後は政治。政治は日本はペケ! というのは、はっきりするのが国会議員、地方議員の女性比率がとても低い。衆議院なんて9.9%と一割に満たない。情けない。本当に情けない。参議院がようやく22%程度で衆議院よりはだいぶいい。健康〇、教育もまあまあ〇、問題がないわけではないけれど。経済はちょっと〇はあげられない。政治に至っては✕。ここをどうにかしないと。

私もう92歳なんですよ。生きている限り問題のあるところで自分がやれることがあるならやるべきかな、と思ったのです。

赤松 良子

いま世界では ー 女性が国政トップになる意味

まず政治の分野への進出を目指す女性を資金面で援助する募金ネットワークとしてWIN WIN(Women In New World, International Network)を1999年6月に設立しました。この時は朝日新聞の記者だった下村満子さんが頑張った。下村さんは力のある人だったのですが、故郷の方で震災でダメになったということで福島県の方に帰ってしまって。私たちは大きな力を失ったんですけど、残った方も私たちが頑張りましょうと活動を続けています。WinWinの政治参画をすすめるために、具体策としてクオータ制が頭に浮かんだ。諸外国を見ますといろいろありますけど、クオータ制はどの国でもやっている。先進国にもアフリカ諸国にも多くあるんですよ。とくにアフリカは女の方が多いところがあるんですね。なぜかというと内戦で男みんな死んだから、女は率が増えるのは当たり前。男は死んじゃった。これは困ったことだ。でもとにかくアフリカ諸国は女性の方が割合が高い国いっぱいある。日本は、なんでこんなに少ないの? どうしたら増えるの? から始まって、やはり増えたところのやっていることを見習おうということになって、クオータ制というものを考えた。

フランスは「候補者男女均等・同数法」通称「パリテ法」です。「パリテ parité 」とは「半々」フィフティフィフティという意味ですが、フランスでも女性の政治家がとても少なかったから、これではいけないということで、選挙の候補者を男女同数にすること、候補者名簿は男女交互に記載することなどを政党に義務づけるパリテ法が作られた。そんな法律は憲法違反だと裁決が出たのですが、だったら憲法を変える。憲法違反だといわれたら憲法を変えちゃったのだから、フランスってすごい。日本にはそれだけの力が女にはない。憲法まで変えてパリテを進めて、フランスではパリテ法の前と後で随分違う状況が生み出されている。

ドイツにはそういう法制がないのに「ドイツはダメだ」といわれないのは、メルケル首相がいるからか? でもメルケルさんも引退されるそうですから、その後はどうなるか。イギリスはサッチャーが偉かった。サッチャーはフェミニストではないけど、彼女の存在そのものが、男女平等を推進した。そのころイギリスでは、お母さんが男の子から「この国では男は総理大臣になれないの?」って聞かれたといわれていた。それくらいサッチャーは長くて強力だったわけでしょ。見た目はとてもレディライクで綺麗にしているのですが、フォークランドで戦争をして海軍を出してというような凄腕で、政権は長かった。イギリスはその影響がかなりある。強力な政治家が出るか出ないかで違うと思う。

日本でどうするか。私は日本で総理大臣を女性にしたら大分違うと思います。そこまでもっていきたい。明治以来たった一人もおりません。アメリカも大統領はおりませんが、バイデン大統領が一生懸命女性を半数に閣僚をすると就任時に公言していて、ほとんど実現している。バイデンの財務長官は女性なんですよね。日本で言えば財務大臣ですよ、伴食大臣なんかではなく非常に強力な閣僚。副大統領が女性というのも歴史上はじめてのことですから、アメリカも将来は女性大統領の時代になるのではないでしょうか。女性がトップになることは意味が大きいと思います。

政治分野における女性の比率を高めるためには

「政治分野における男女共同参画推進に関する法律」が2018年にできて、衆議院の現状(2021年4月現在)は女性比率9.9%ですが、これが今度どうなっていくでしょうか。政府の男女共同参画基本計画(2020年12月)として2025年までに国政選挙の候補者に占める女性割合を35%とする目標が設定されましたが。

参議院選挙が2019年にあって、22%程度になった。衆議院と参議院では選挙区の制度が違うので、参議院の方が女はなりやすいということはあるけど、衆議院の10%以下というのはあまりにも少なすぎる。やはりその違いというのは選挙制度の違い。影響はあると思いますよ。10と22ではすごく違う。

衆議院は小選挙区から一人しか選ばれないわけですね。

あれがいけない。ねえ、二人ペアのうちどっちか選べとなったら、たまったものではない。なりにくいのは当たり前。よっぽど凄い人、サッチャーやメルケルのような人であれば二人のうち一人ということでも女性の方が選ばれるかもしれませんが、だいたい男の方が「地盤・看板・カバン」かな、有利だから女は負けますよ、二人のうち一人なんていわれたら。だからやはり、今の選挙制度のままでは衆議院では女はそんなに増えませんね。小選挙区ではない参議院の方に女性議員が多いのは当たり前なんです。

「政治分野における男女共同参画推進に関する法律」は2018年に施行されて、今年にはハラスメント防止条項の加入等の改正法が成立したばかりですよね。

さきごろ議員連盟の会合がありました。衆参合同で大勢でね。推進法の立法を進めていただいた「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」(会長=中川正春 元文部科学大臣)の先生たちはもちろん、議連に入っているかわからない先生たちもたくさんご挨拶に見えて、「Qの会」をはじめ女性団体もたくさんきていた。なかなか盛会だったですよ。議連会長の中川正春先生はとても人望がある方で、議連は頑張ってらっしゃる。

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