弁政連ニュース

特集〈座談会〉

弁護士会と自治体の連携
~弁政連の役割~(5/6)

【菊地】行政連携を弁護士会の活動の支えにしなければという脈絡で言うと、弁政連と委員会の意見交換を「行政連携」をキーワードにして何かできそうですね。先ほど新潟では役員披露会の開催を弁政連が仕切るなんていうのは、なかなかユニーク。

【佐藤】弁政連の会議に執行部の理事者が必ず出席をしておりますので、弁政連と執行部の連携がきっちりできている。弁政連の支部長は弁護士会の会長経験者。終わってすぐではないですが。

【緒方】弁護士会長を退任したら弁政連の支部役員になるというルーティーンを作らないと。

【田邊】山梨では弁政連の周知度はそこそこぐらいですが、やはり若い人達にどれくらい認識してもらっているかというとちょっと心もとない。若い人達とじっくりと弁政連の有用性とか何の為にあるのかということをきちんとやる機会を持たずにきたなというのが反省点。ただ緒方先生が話されたとおり、実は会長とかを経験するとつくづく政治の力とか政治に働きかけることがどれくらい大事かというのが身に染みることになるのですが、意外にそれまではわかっていないようです。会長を終わって、目覚めて弁政連を一生懸命やるというのが大事ですし、本当はもっと早い段階でその辺の意識を高めることが大切だと改めて思いました。割と若い先生が後援会活動とか個々の政治家をアシストするとか、政治家に関心を持っている風はあるので、なんとか特に60期台の先生を集めてやっぱり今までの反省を含めて今後の方針を立てたいと改めて思っております。

【湯澤】群馬は、弁護士会の活動そのものに若手の先生がなかなか参加してくれない状況です。弁政連の活動に大きく関わるのは業務改革委員会ですが、業革の委員長をやっている身としては若手が委員会に出てきてくれない中湯澤で、弁政連からこれやってくれと言われてもマンパワーを割けない。すごくジレンマを感じています。そもそも弁政連そのものを知らないということですよね。私たちも説明を受けて弁政連に入ったわけではないので、入るものだよという形で会費の請求が来て払いました。だんだんと一年に一回の総会に若干顔を出して、活動に参加して、ああなんとなくそういう団体なのだなということがわかってきて、三重県のように本当は説明する機会が必要なのかなって。

【緒方】作戦組んで、若手も呼んで。広島では地元選出の岸田文雄議員をお呼びして、若手に目の前で現職の外務大臣と会ってもらいました。そういう場で、こんな話あんな話して経験してもらわないとだめな気がする。

【庄司】三重では半分ぐらいが60期台です。私が個人的に弁政連をやらなければと思うところがあって、若手の仲間達に伝えていって少しずつ増やしたところがありました。平成22年に初めて、三重県支部として政党の団体懇親会に行ったのですが、そこで非常にショックを受けました。行政書士会、社労士会ら他士業の政治団体から、弁護士では不十分だから権益拡大しろという話がずっと続くのです。これが毎年行われていたのかと。このような団体懇親会で行われていることと、近年の他士業の権益拡大傾向とが全く無関係だとは思えず、この状況を放っておいてよいのかと強く思いました。弁護士が政治と距離を置くという考えをする方の気持ちも分からなくはないのですが、我が国のおかれた現在の状況からすれば、弁護士業務のパイが少なくなることは目に見えています。一方で、歯止めをかけたいとは思いますが、弁護士は増員傾向にあります。その中で、こういうことがずっと行われていて、弁護士だけが何もしないままでいいのかと私の中に強烈に刻まれました。その話を仲間にしていって、少しずつ若手を増やしていったということはあります。本日、緒方先生の弁政連の活動で仕事が増えるというのはすごく新鮮でいい話を聞けたなと思いました。

他方で、権益だけではなくて、少年法の適用年齢の引き下げ反対等の人権の話を直接持って行くと、弁護士は弁護士なのだという話の聞き方をしてくれる政治家も必ず現れます。我々は、人権擁護の団体で、人権擁護の話をしていって理解してもらう。権益拡大だけの団体ではないと伝えていくことも、耳を傾けてくれるきっかけになるのかなと。法曹人口の問題も、権益を守るために言っているのではと、はなから思っている政治家もいる。法曹人口の話も、弁護士が権益を守りたいという話ではなくて、人権の話であり、我が国の社会の有様そのものをどうするのかという話で、そこを大きく変えてしまう話だと一生懸命話すと理解してもらえる。人権擁護という、私たちにしかできないことを伝え、他の士業との違いを理解してもらうことも大事かなと思っております。

【田邊】先生のおっしゃる通りで、県レベルの政治家と話していてもそうですが、確かに権益拡大、他の士業の総会などに招待されると露骨にかなりその部分が強く出るのですが、我々がそれに比べて何をいつも話しているかというと、社会の問題、先ほども申し上げた福祉の分野での話とかが多くなる。よく考えればそれが私たちの仕事なので、議員の人たちにもきちんとした正論で政治に関与したいと思う人は多い。その時に弁護士会にはこれだけの公益的な活動をしていて例えば公害環境であればそういう委員会があって、高齢者・障がい者もそうです。これだけシンクタンクのような存在があるのにもったいないじゃないかと。いろんなことを政治家として進めていく上での貴重な宝庫がいっぱいありますよと。議員独自に条例を作るのであればそれは自分達で議会事務局に何となく助けてもらうのではなく、弁護士会を大いに利用してもらう必要がある。直ちに若い人たちのその日その日の仕事に直結するわけではないけど、そういう活動を通じて弁護士会のプレゼンスみたいなものをひきあげていく戦略的なものが長期的に必要であるという思いがあります。その為に政治家に理解してもらう必要があり、政治家が直に弁護士会というとやりにくい場面もあるだろうから、適宜に弁政連という日ごろ政治家の皆さんとパイプを持つような活動をしている受け皿をうまく利用しながら正面から弁護士会に議論を展開してもらう。法曹人口の問題も単なる食えない話ではなく、きちんとしたルールオブローとか権利擁護の問題としてアピールすることが大事だと思います。

【緒方】それならわかりやすく言った方がいいと思う。他の士業の予算の方も見てみて。医師会でもどこでもいい、弁護士会の予算も見てみて。弁護士会ほど人権のために予算使っている団体はないよ。それをパッと言ったらわかってくれる。あと自治権をもって司法の独立の部分を人権擁護のために担っているということも真正面からいう。ある広島選出の国会議員から「緒方さんこれ、司法が崩れたらいけんね。真正面から言えば真正面からわかってくれますよ。そこを実証的に言わないとあの人たちは分かってくれない。金これだけ使っているよと。自分達のためじゃないことに。」と言われた。

僕たちの働きかけが足りない。業務で裁判所門前町みたいに人が寄って来てくれたので、お高く留まっている風な歴史があったと思う。前に言ったように、待っているのではなく「こちらから出ていこう」と。基本的にそういう時代に入っていることを自覚してもらわないとね。

【佐藤】弁護士会は本当にいろんな活動をしていて、話せばそんなことをしているのですか素晴らしいですねと理解してもらえるのですが、全然話していない。先ほど門前町という話がありましたがその通りで、来たら相談受けますよ。来たらアドバイスできますよと形でやっていた。これからは、こちらから出ていかなければならない。それをしないとすごくもったいない。それをしっかり普段からしていればいざ法曹人口の問題だとか業務拡大に関わる問題であっても真剣に耳を傾けてくださるのではないかなと。現に法曹人口問題については普段から人権擁護活動でつながりがある国会議員の先生にはすっと理解していただきました。弁護士会がやっている活動をこちらから出ていっていろんなところに知っていただくということは大事なのだなと思います。

【菊地】弁政連の活動の柱の一つは今までの弁政連のやってきた国会要請。これは相変わらず必要な活動です。ただ日々の支部の若い先生を引き付けられる仕事につなげる活動の方向性を緒方先生からいただきました。一方では群馬でも他の弁護士会でも委員会活動自体が停滞している。弁政連までたどり着かないというような話もあったのですが、委員会活動とこの弁政連のあり方というか取組み方というのは工夫すれば風穴ができそうな感じが広島から吹いてくるのかなと思いますが、どうですかその辺。

【緒方】我々の職業基盤を確固とするための新しい法律を作らせなければならないというような法制度の創設を目的とするのはどうか。例えば確定日付の付与はなぜ弁護士にではなく公証人のみが取り扱うのか。三億円以上の契約に関しては弁護士が関係して契約の動機まで全部聞いて証明書を作る。それについては少なからずコミッションをもらうと。そういう様々な弁護士の法廷活動以外の経済基盤整備についての法律の改正。その目標をどう立てていくのかということを弁政連全体として考えていく必要がある。弁政連が政治運動として我々の基盤整備の目標と意識を持つ必要がある。弁護士とその家族専用のカードの作成を一気にやると弁護士会にどの程度の収入が増加するのかとか、なぜ弁護士協同組合で車のリースや保険業務をやらないのかとか、人権活動との両立てという意識を日弁連も単位弁護士会も持ち、若手の要求をくみ上げることを是非やっていただきたいと思います。


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