弁政連ニュース

特集〈座談会〉

弁護士会と自治体の連携
~弁政連の役割~(3/6)

【菊地】百カ所めぐりの中には島も入っているのですか。

【佐藤】入っています。総人口が380人ぐらいの粟島浦村にも行きました。ここで村の職員さんに、こちらの島で法律相談会をしたいけど、小さな島なので、島で相談会を開いても、弁護士に相談しに来たことが他の島民にばれるのを心配して誰も相談に来ないのではないかと話したところ、それじゃあ全戸訪問をすればいいですよと提案され、実際に全戸訪問で法律相談を実施しました。そうしたところ十数件、実質的な法律相談があってやる意味はあったなと、そういう形で繋がりを持たせてもらいました。

【庄司】三重県支部の庄司です。平成22年にできた若い支部で、私は初年度から事務局長をやらせていただいていております。道半ばですが、行政との連携を徐々に深めている経緯についてお話をさせてもらえればと思います。

当支部では、設立して2年くらいは、国会議員のみを対象に活動をしていました。ただ、地方の弁護士としては、国政の問題もあるのですが、実際抱えている政治課題としては、DV被害の問題だったり、高齢者の問題だったり、法教育だったり、民暴に関する問題など、身近な問題が多く、地方自治体レベルで要望していくべき問題の方が多いため、庄司やはり地方自治体のレベルで連携を深めていくべきではないかという発想が出てきました。また、そういう身近な話をしていく方が、会員も実感を持ちやすいし、会員増強につながるのではという考えもありました。具体的な取り組みとしては、県会議員と懇親会を持つところからスタートしまして、知事との意見交換も実施させていただきました。その中で、どういう形で要望をしてくのが良いか模索していましたが、弁護士会の各委員長の方々にそれぞれ課題を持ち寄っていただいて、それをまとめた要望集を作成して、渡すという方法をとることにしました。平成26年は、三重県議会で法曹人口の問題に関する請願を通そうという方針を掲げまして、その中で三重県議会の民進党系会派新政みえ、自民党三重県連、公明党ら、県会議員ほぼすべての会派に事前に根回しをやりました。その後、弁護士会から正式に請願を出して、最終的に昨年三重県議会で請願を通すことができました。この活動を通じて地方議員との一定のつながりができたと思います。先程お話しました要望集については、今年最新版にブラッシュアップしたものを作成しました。それから、当支部で、他に工夫しているとすれば定期総会です。弁政連の支部の定期総会後の懇親会に、国会議員と行政の首長、それから県会議員をお呼びするということをしております。例年、懇親会の乾杯が始まる前、時間をとって要望することの骨子を説明して、それから乾杯をするという形にして、とにかく耳に入れるように工夫しています。ちなみに、県議会の会派で要望を話させていただきますと、県の政策担当者もそこに来ていて、そのまま行政に通るということもあります。

【菊地】定期総会の懇親会にお呼びするとみなさんいらっしゃるのですか。また要望書に対し、皆さん答えてくれるのですか。

【庄司】秘書の方がいらっしゃる場合も多いですけど、ご本人が出席される国会議員もいます。定期総会の日程を、向こうに合わせて、国会議員が帰ってきやすい週末に設定しています。また、要望書に対しては、みなさん項目別に答えてくださいます。

【湯澤】群馬弁護士会の55期湯澤です。自治体等連携センターの方の委員をしております。立場的には地元の群馬弁護士会の業革委員会の委員長をやっている関係で、群馬の状況についてお話できればと思っています。群馬も同じような状況でして、従前は中央の方からいわれたことをやるというような形でやっておりました。ここ最近でいえば25年の12月16日付けで法曹養成制度の見直しを求める意見書を県議会で出してもらったり、中央の課題を国会議員だとか県議会に出してもらうという活動をずっと続けてきました。しかし昨年の11月18日に自民党の県議会の議員と、25日には県知事と懇談会、懇親会を行っております。今年は地元の県議会議員の方々とゴルフ大会をしています。あまり堅苦しくない懇親会というか懇談会という形で行いました。出席者は群馬弁護士会が20名。弁政連側10名ぐらい、県議会議員は自民党は10名程度来ていただきました。弁護士会の会長の方から要望事項を自民党の県議団に提出させていただいた。招請勧誘の問題ですとか、地域包括ケアシステムとの連携強化、児童相談所との連携強化。生活困窮者自立支援の関係、ワークグループ教育の実施、賃金の改善、条例。外国人就業者の日本語教育の現状の調査と改善対応、それから行政連携の支援の強化ですとか、地方修習生に対する給費手当の創出など、弁護士会が抱えている問題と思っていることを会長の方から伝えてもらった。これは会長から各委員会に事前に県議団と話をするときに要望してもらいたい事項を出してもらって、その上で要請をしたということです。県議団の方は県民に対する司法サービスの提供とか県議会と弁護士会の連携のあり方をどうするべきか、条例の制定・改廃についての弁護士会の助言・協力の話がでました。助言協力については、先輩弁護士から県議一人につき2 名ぐらい弁護士を張り付けようというような勢いのある話も出ました。知事との懇談会の時はそこまで堅苦しい内容ではなかったのですけど、行政連携のお品書きが完成した頃でして、これをアピールをさせてもらい、知事の方からは「本気でやる気があるのか」と発破をかけられました。総務部長からその後行政連携のお品書きをある程度欲しいと話をいただきまして、多分各部署に回っていると思います。今年も交流会などを開ければなと思っております。

群馬県は今年は弁護士が包括外部監査人を担当することになりました。公認会計士の資格も持っている弁護士なので両団体から推薦したような形を取ったという経緯はあるのですが、一歩進んだかなと思います。あと高崎市にも包括外部監査人に弁護士を選んでもらえないかと訴えましたが、市長からは選挙で協力してもらえないよねとずばり言われました。弁政連の力をここでも借りられればと思いました。連携センター主催の新潟での公金債権回収に関するシンポジウムに参加をさせてもらって、群馬県の職員もいらっしゃっていて、名刺の交換とか話をして仲良くなったのですが、今年に入って部下の方が私の事務所まできて、ぜひ話がしたいと。県の整備部の住宅政策課で滞納対策の方と何ができるかという話になりました。県の実務を扱っている方々との交流も大切だと思います。弁政連の方で県のトップの方と話をつけておくと下の方も動きやすいのではと思います。弁政連としては少しずつでもトップと下との交流を地道にできればと思っております。

【田邊】山梨は包括外部監査制度がスタートして三代目までは弁護士でしたけど、その後は残念ながら弁護士ではない状態が続いております。


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