弁政連ニュース

トピックス

弁護士議員に聞く


古川 俊治議員
古川 俊治 議員

参議院・埼玉(自由民主党)
東京弁護士会会員

(インタビュアー 企画委員会副委員長 武山茂樹)

法曹から国会議員を目指したきっかけ
医療現場の問題意識から弁護士へ、弁護士から国会議員へ

まず、医師から弁護士への経緯についてお話しします。医学部を出て医者をやっていると、当時医療過誤の問題がクローズアップされていたんですね。そこで、法律的な問題に興味をもち、弁護士になりました。

しかし、医療過誤の問題は、患者さんの権利など法律的な観点も大切ですが、それ以上に病院をマネジメントの観点から変えていくことも大切だと感じました。そこでMBAを取得しました。また、医療のさまざまな問題を解決するには、公的な保険制度を変えなければならない。医療や厚生問題もつまるところ財政問題なのです。医療の様々な問題を総合的に解決するために、私は国会議員になりました。

国会議員になってからも医師としての経験が役立ちました。卒業臨床研修制度の改革を任せていただき、地域医療の現場がだいぶ楽になったとのお声も頂戴しました。また、先進医療の分野においても、未承認医薬品の研究をより容易にできるようにし、医師仲間たちからも、評価していただける政策を実行することができました。

法曹資格が議員活動に与える影響
法律専門家の観点から法律案を検討できる

法曹でない国会議員は、政府の提出する法律案を政策的な説明のみで納得してしまいます。しかし、法曹資格を持っていると、法律解釈の観点からも法律案を検討できる。その観点は、政府を監視する役割を担っている国会議員としては、重要です。

また、医療の実態を知っているという経験は、やはり医療政策の立案に役立ちました。医師としての経験と弁護士としての経験の両方が役立っています。例えば、薬のネット販売を規制した政令が違憲となった判決ですが、司法判断としては理解できますが、政策判断としては結論には疑問です。成長戦略とは何の関係もありませんし、そもそも薬の副作用の問題もあります。

実現したい政策課題
医療や科学技術に関する政策

まず、第三者配偶子が関与する生殖医療に関し法整備をしたいと考えております。法整備がないから、アメリカで生殖医療を行う日本人が毎年数百人いる。しかし、親子法制が整備されていないため、今後トラブルが予想されます。また、倫理的な観点からの議論も必要でしょう。現実に行われているのに、法整備がなされていないのは問題です。

次に尊厳死の法制化。さらに、科学技術政策。付加価値の高い製品を日本国内で作り出し、経済成長につなげていきたいと思っております。

議員になった実感と法曹へのメッセージ
法曹でいる限りは限界がある

法曹でいる限り、司法の中でしか仕事ができません。法曹として意見書を出しても、読んでもらえないことがほとんどです。積極的に法律を変えたいなら、ぜひ国会議員になってください。


参議院財政金融委員長であられる古川俊治議員は、医療問題の解決や日本の科学技術を強化するとの信念のもと、議員活動されていると感じました。また、現役の医師・弁護士・国会議員の三役として活動していることに改めて驚愕しました。今後の更なるご活躍を期待します。(武山茂樹)


>>森まさこ議員


▲このページのトップへ