弁政連ニュース

特集〈座談会〉

地方政治への
弁護士関与の可能性
-自治体の議会及び行政に司法の視点を-

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【斎藤】ありがとうございました。では、川合さんにお聞きしますが、弁護士であったことが市長の職務遂行に役立ったということはありますか?また川越市の行政の現場に弁護士はどのように関わっていますか?

【川合】もちろん行政は法律に基づいて動いているわけですから、弁護士、法律家であるということがいろいろな面で役に立つという面はあります。しかしながら行政がらみの仕事というのはほとんどやったことがありませんので、行政に関する法規というのもほとんど知りませんでした。そういう面では「弁護士でも弁護士でなくともあまり関係はないな」という気がしますね。

他の自治体も同じだと思うんですけど、弁護士には市民相談の法律相談の担当者とか、市が訴えられた案件の代理人をやって頂いています。それから執行機関や補助機関がありますので、その委員になっていただいています。選挙管理委員会や公平委員会というのがあるのですが、そういう場所には弁護士さんが委員、あるいは委員長として入ってもらっています。附属機関としましては都市計画審議会や開発審査会であるとか、個人情報審査会にも弁護士さんには委員として活躍していただいています。

【斎藤】2012年に弁護士市長会が発足しましたが、そこでは「弁護士をもっと活用しようじゃないか」という話しが出ていると聞いています。具体的にはどのような話なのでしょうか。

【川合】明石市の泉さんという市長さんが言い出しっぺになって始めた弁護士市長会というものがあるんです。今会員は10人なのですが、泉市長はとても前進的というか先進的というか、新しいことをどんどん取り入れている方でして、平成24年には任期付公務員として弁護士を一度に5人も採用し、翌年も採用しようとしたんですけど議会に予算の関係か何かで反対されて上手くいかなかったとお聞きしました。弁護士以外にも臨床心理士などの専門職を任期付公務員として職員にしていろいろとやってもらっています。お話をお聞きした中で職員の法律相談に乗ってもらっている。それから一般の自治体では外部の弁護士に依頼している市民の法律相談もその職員にやってもらっている。場合によっては職員弁護士は出張相談のようなこともやっていると聞きました。川越市も今年度中か来年度には一人、任期付公務員として弁護士を雇っていろいろとやってもらおうと思っています。

【斎藤】加藤さん、流山市の議会改革は有名で、平成24年に日本経済新聞が全国の787市と東京23区を対象に改革度調査を行い、流山市が全国トップと報道されていてすごいなと思いました。具体的な流山市の改革のきっかけと、現在の到達点についてお話いただけますか?

【加藤】私が入った時には議会改革はすでに進んでおりまして、流山市議会基本条例もできており、先輩たちが改革を頑張っているところに私も入ったわけです。平成12年に地方分権一括法ができましたので、それをきっかけに次の年の7月に地方分権検討協議会を流山市は設置しました。それを受けて2年後には議会活性化推進特別委員会を作りまして、様々な改革を推し進めてきたわけです。一番改革が進み始めたのは平成21年3月のことで、これは全会一致で「流山市議会基本条例」が議員提案により制定されたということが理由になっているとうかがっています。この背景には、執行部側で「自治基本条例を市民参加で作る」という動きがありまして、それならば議会もやろうという事になり、競うように条例を作り始めたと先輩議員よりうかがっています。最終的には市民に信頼された開かれた議会を作りましょうということが目標と考えているのですが、これからの改革は議員全員で決めていくことだと思いますし、市民の方の「議会にどうあってほしいのか」という意見を吸い上げていくことが必要ではないかと思います。

【斎藤】「本議会のインターネット中継」や「傍聴者アンケート」や「一般の質問でも一問一答形式を採用する」など様々なことをやってらっしゃるし、かつ議会での質疑も「顔の見える対面方式」から「完全対面方式」に変えたなど、こういうことも書かれていますね。特別委員会もUstreamで中継しているという話もありますよね。

【加藤】日本ではかなり進んでいるほうかもしれませんが、海外では傍聴席も議員や執行部の近くに置かれたりしますし、日本ではこれからもっと議会が市民の近くにあるべきと思います。日本の傍聴席は狭いし静かにしなければならないのに議員側は広く野次も多い。また今までの本会議場では資料の持ち込みは、議長に断って行う形になっていると思うのですけれど、流山市ではPowerPointを使ってスクリーンに映し出すことが許されています。また、スマートフォン採決ですから、採決したらどの議員が○をつけたのか×をつけたのかは瞬時に画面に出るわけです。市長の反問権もあるのですが、それにプラスして部長職も反問できるようになっています。(H22. 2. 23改正)

Ustreamは音声が悪くてはっきりと聞き取れない部分もあるんですけど、そこは改善していかなければならない箇所です。ただ予算がつかないので、現在は無料で使用できるサービスを利用しています。


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