弁政連ニュース

クローズアップ〈座談会〉

弁護士の政策形成活動
~世界を動かす 政府を動かす~ (5/6)


【岡本広報委員会副委員長】例えば国会議員の方の目から見たら政策提言活動というものについて「自分たちをこう使えばもっとうまく話が進展します」ということはありますか?

【土井氏】当然あります。私たちを使っていただきたいですね。例えば最近出来た条約で「クラスター爆弾禁止条約」があります。この条約はヒューマライツ・ウォッチはじめ様々なNGOがリードしてできました。日本政府がリーダーシップを取る気があればそれをサポートする準備があるわけです。ですからぜひ使っていただきたい。日本がそういった問題でリーダーシップを取れば日本がリスペクトされる結果にもなりますし、議員が頑張ったとなれば議員の価値も上がるでしょう。日本はクラスター爆弾に関しては条約交渉の場面では抵抗勢力でしたが、最後の最後に賛成しました。最終的には賛成したという意味では最後まで反対した国よりは良かったのですが、それでも何十か国もあるうちの最後の最後でした。どうせ賛成するならもう少しやり方があったはずと思います。いずれにしても一議員が世界相手にロビーイングできませんが、我々はそうしたシステムを持っていますので、ぜひ使っていただきたいと思います。欧米の国の中には私たちのようなNGOとうまく付き合って、最終的には世界的な尊敬を勝ち得る例が多くあります。日本も国際NGOをうまく使いこなしながら自らをプレゼンし、かつ世の中のためにも役立つ存在になる時期ではないかと思います。我々を窓口にして少しずつ使い始めていただけたらと思います。

【伊藤氏】2009年に民主党政権ができた時に、「人権問題について真剣に取り組んでいきたいので、議員連盟をつくってみたい」というアプローチがありまして、ご一緒に議員連盟をつくりました。公約すべてを実現できないとしてもどの分野なら実行できるかというご相談にのったりしました。私たちは国際的な人権問題や国連の動きも分かっていますので、日本が人権を尊重する国として行動していくためには、私たちのインプットは役に立つんじゃないかなと思います。

例えば、2011年、国連の「人権に関する普遍的審査」(UPR)に関して、伊藤氏 日本は自発的に勧告の履行状況に関する中間報告書を発表しました。こうした日本の行動は世界から賞賛されました。同じ2011年に、国連の特別報告者の調査制度に関して、どんな報告者が訪問調査を求めても日本は無条件で受け入れますという宣言をしましたが、これについても世界は高く評価しています。これは日本では知られていないシステムだけど、国際的には結構重要なんです。私たちは人権条約の個人通報制度の導入を求めていますが、まだそれが実現しない今でも、特別報告者が来訪すると、個人通報制度と同様、またはそれ以上の強い機能を果たすことができます。例えば、そうした提案をさせていただいたりすることができます。また、ミャンマーの民主化の問題についてもこれまで政治家の方々とご一緒してきました。今、世界の流れは、独裁から民主主義や人権への移行・転換の方向に進んでいます。日本政府が長年、海外の独裁政権とだけ良好な関係を築いて、その国の反対勢力・民主化勢力とは全く関係を築かないということでは、その後政変があった後で、その国と良い関係を築いていくというのは非常に難しくなってくると思うんです。そうした国にどういう人権問題があるか、例えば独裁政権下の中でどんな問題があるのかを知っておき、それを是正しようとして活動している人たちに対するサポートをしていく、あるいはネットワークを構築していくというのは、今後の世界秩序を見た時に、日本が良い外交的影響力をもたらしうる活動だと思います。政府がそうした活動をしていくにあたって、私たちは情報提供やネットワークの取り持ちなどの貢献ができると思います。

【猿田氏】NDは、皆様に「利用していただく」ことで成り立っている団体です。国境を越えてロビーイングをしたい方、情報を発信したい方、是非お声がけいただければと思います。その中でも、国会議員の方の国境を越えての情報発信のサポートは常に重要な活動の柱です。これまで何度も、多くの日本の国会議員の訪米ロビー活動をサポートしてきました。事前準備から日程調整、取材依頼なども含めてこちらで設定し、議員のアメリカでの活動を全面的にバックアップします。また、日本の国会議員の方から日常的に、米国議会の審議状況、例えば、TPPに関してアメリカでどんな議論がされているのか正確な情報を知らせて欲しいという調査依頼もあります。海外から専門家を招致し、その方を呼んだ時に日本での議員との面談設定をしたり、その方の研究会を開催したり、といった活動も行っています。「既存の外交チャンネルでは運ばれない声を運ぶ」というのをモットーに、NDの活動は党派を超えたものになっています。

もちろん、議員だけでなく、市民の声、例えば、原発事故被害者の声や沖縄の基地削減の声なども運びます。発信したい声がある方、情報収集が必要な方など、ぜひNDをご利用ください。


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