弁政連ニュース

特集〈座談会〉

国選付添人制度拡大の
意義を語る (4/4)

国選付添人制度拡大の必要性

【斎藤広報委員長】次に、法改正の必要性について語ってもらいますが、皆さんの目から見て現状の国選付添人制度の問題点についてコメントをもらえますか。金子さんから。

【金子氏】現行の国選付添人の問題点というとやはり対象事件が限定されていること、子どもの問題で付添人を付ける必要性というのは変わらないのに、対象事件が限られていることが今一番の問題なのかなと。被疑者国選の場合は、必要的弁護事件で被疑者国選を付けることができるのですけど、その後、家裁に送致されると、国選で付添人が選任されないということで、結局そこで弁護士が居なくなってしまう。取りこぼしにならないよう、最低限でも一人の弁護士が捜査段階から家庭裁判所の最後の段階まで付いていくのが望ましいと思います。そういう意味では対象事件の拡大は望まれますね。

【土橋氏】同じようになるのですけど少年事件の場合は重大事件に限定しているんですよね。軽微事件で観護措置を執られている少年は、何か問題があることが多く、だからこそ、付添人の援助が必要な訳ですから重大事件に限る意味というのは全くないと思います。また成人との比較で見ても成人であれば被疑者国選や被告人国選での範囲は広く軽微事件についても国費で国選が付く。ところが少年については付かないというのが何故なのか。成人とのアンバランスも違和感を感じるところです。

【山口氏】私も同じ考えで、大人より弱い立場なのになぜ大人よりも保護が薄いのか疑問に思います。最低限、成人と同様の保護をして欲しいなと思っています。

【須納瀬氏】皆さんおっしゃったとおりで重大事件に限定されていますけど、須納瀬氏実際は鑑別所に送致された少年については窃盗や傷害といった事件でも相当の割合が少年院送致などの重大な処分を受けている、そういう意味で付添人の援助の重要性は高いということと、現行法で被疑者国選弁護人に選任されながら家裁に送致された後は国選付添人になれないのは明らかに制度上の齟齬だということ、この二点については、法制審の審議などで訴え、弁護士以外の委員からも理解されたところで、その問題点解消の必要性がある。もう一点付け加えると子どもの権利条約37条などは身体拘束を受けた少年に関しては必ず弁護人の援助が必要だと規定しているわけですから国際的な視点から考えても弁護士の援助を保障することが必要で、現状ではこれが欠けているといえます。

【斎藤広報委員長】現在予定されている改正要綱に基づく法制化が実現した場合に現状はどう変わると予想できますか。

【須納瀬氏】現状は、その国選制度の不十分な点を日弁連が少年事件付添援助という制度を作って弁護士から特別会費を徴収して基金を作りそこから弁護士費用を支出することで、資力が無い少年であっても弁護士が依頼できるような体制を作っているので、相当の割合で少年に付いている訳ですけど、それが国費により国選制度で選任できるようになるということは、少年の権利として本来あるべき姿になるということだと思います。

【山口氏】少年も、無料ですよ、弁護士会がお金を出すから大丈夫ですよと言っても、うちは貧乏だからお金が無いからととても不安がる。呼ばないでくれと鑑別所の人に言う場合もあるらしいです。そもそも国の制度ですよという事になればお願いしなくても付いてもらえるので、何とか法改正をしてきちんと子どもの権利が保障されるようにしていただきたいなと思います。

付添人活動を充実させるための取り組み

【小川編集長】今日は宮崎、大阪、横浜という弁護士会の規模がそれぞれ違うところから来ていただいているのですが、付添人活動を支えようという弁護士会の雰囲気はどうなのですか。

【山口氏】宮崎は若手から超ベテランの先生まで約半数は子どもの権利委員会に入っています。勉強会を開いたり調査官との交流会をしたりと熱心に活動しています。大分県弁護士会と共同で毎年子どもの権利や少年事件、虐待など、勉強会も開いています。

【金子氏】横浜も今1,300人くらいいて、質的な問題を解決するために若手1 、2 年目の人を対象にして毎年5 回に渡って、子どもの権利委員会で勉強会を開いたり、通年では全会員対象で裁判官や調査官を呼んで講演をしてもらって質的な確保に努めていますし、SOSを出している弁護士に対しては子どもの権利委員会でサポートをとれるようにと常日頃から広報しています。

土橋氏【土橋氏】大阪は4,000人くらいの規模になっていますが、事件の数も多いのが現状です。ですので、全員が頑張るのが大事なので、研修の義務化・強化に取り組んでいます。勉強会も横浜と毎年交互にやらせていただいております。最近は沖縄も入ってもらって各地を回りまして勉強会を開いております。

【斎藤広報委員長】付添人のマンパワーは、質・量とも確保されてきていると言ってもよいということですね。更に一層、付添人活動の質を高め、国選付添人拡大の法改正を一日も早く実現したいですね。

本日は、ありがとうございました。

(平成25年6月7日 於霞が関弁護士会館)弁政連

於霞が関弁護士会館


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