弁政連ニュース

クローズアップ〈座談会〉

『中小企業の海外展開』を
支援する弁護士の活動
(1/5)

司会 出井直樹 本部幹事長
柳楽久司 本紙編集長
小川晃司 広報(委)副委員長

 

武藤 佳昭会員

武藤 佳昭 会員(44期)
東京弁護士会所属
日弁連中小企業の海外展開業務の法的支援に関するワーキンググループ座長

土森俊秀会員

土森 俊秀 会員(54期)
東京弁護士会所属
日弁連中小企業の海外展開業務の法的支援に関するワーキンググループ副座長

吉崎 猛会員

吉崎 猛 会員(54期)
第二東京弁護士会所属
日弁連中小企業の海外展開業務の法的支援に関するワーキンググループ委員

藤本 一郎会員

藤本 一郎 会員(54期)
大阪弁護士会所属
日弁連中小企業の海外展開業務の法的支援に関するワーキンググループ委員

生田 美弥子会員

生田 美弥子 会員(63期)
第二東京弁護士会所属
日弁連国際法律業務の発展及び在り方に関する検討ワーキンググループ幹事

はじめに

【出井幹事長】本日はお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。まずは自己紹介も兼ねて、ご自分がどのような業務をやられているのか、中小企業の海外展開についてどういった取り組みを行っているのか、簡単にご説明をお願いいたします。

【武藤氏】44期の武藤です。私は登録をしましてから渉外専門といわれる事務所に入りまして、これまで国際取引、国際紛争といった渉外業務を中心にやってきております。かつては外資系企業が日本に進出するときのサポート業務が多かったのですが、最近では日本企業が海外に出る、または海外でトラブルに遭う、あるいは国内の取引や紛争に関連して海外でも関連案件や派生的な問題が生じる、そういったいわゆるアウトバウンドと呼ばれる業務がかなりの部分を占めるようになってきまして、私自身が海外に行く機会も増えて参りました。そういった中で、中小企業の海外展開支援という話を日弁連の方でいただきまして、現在「中小企業の海外展開業務の法的支援に関するワーキンググループ」の座長を務めさせていただいております。

【生田氏】63期の生田です。私は「国際法律業務の発展及び在り方に関する検討ワーキンググループ」というところでお手伝いさせていただいております。期は63期なのですけども、もともとフランスの弁護士としてベーカー&マッケンジーのパリオフィスにいました。その後いろいろあって他の事務所に移り、ベトナムに駐在に行ったり、その後だんだん英語の案件が増えてフランス語と日本語しかできないことに困ってアメリカに留学し、アメリカの事務所に入らせてもらいました。ただその後テロもあって全体の仕事量ががっくり減り、東京の方が仕事が忙しくて勉強になるよといわれて東京へ帰って参りました。そしてそれからしばらく外弁登録をしておりまして、その中でロースクールができて、やってみてはどうかということになりロースクールに入って日本の弁護士になりました。フランスにいた頃は一般民事もやっていました。というのも日本人絡みの仕事は全部来てしまうので、日本人の方が交通事故に遭えば交通事故の仕事もするし、日本の会社がフランスの会社とジョイントベンチャーをつくりたいといえばそれもやるという何でもありの世界ですごく面白かったです。日本に帰ってきてからは、いろんな先生から色々と教わりながら仕事をしています。

【藤本氏】54期の藤本一郎です。弁護士になってからずっと大阪弁護士会に所属しております。留学までの3 年8 カ月ぐらいは完全に国内業務しかしておりませんでした。ただ、私も縁あってアメリカと中国に留学させていただきましたので、その中でいわゆる渉外業務の面白さというのに気付いたのと、途中いろいろありまして中国に行くことになったときに、この中国業務についての潜在的な魅力にすごく取り憑かれまして、帰国してから新たに日本のクライアント向けに渉外業務を始めました。現在はだいたい売上ベースで7 割ぐらいが外国法、外国語又は外国当事者が絡む広義の渉外事件になっていると思います。あと、大阪弁護士会で法曹養成に関する支援の仕事をさせていただいていたので、そのご縁もあって3 つの法科大学院で渉外業務と国内の会社法を教えたりしております。

【吉崎氏】吉崎 猛と申します。私も期が54期で、もともと渉外事務所におりましたが、現在は同じ期の弁護士を中心にパートナーシップで事務所を運営しています。クライアントはほとんど中小企業で、東京とその周辺だけでなく地方の企業からも依頼いただいています。海外案件で業務の7 ~ 8 割と思いますが、私のクライアントは、海外案件で自社に合った契約を作成したり、相手方が送ってきたドラフトを自社に有利になるように検討するといったことを社内でやれていなかったので、そういうところで弁護士が合理的な費用でやってくれるということで依頼いただいています。ですので、訴訟や契約マターだけでなく、相手方との取引に関する文書の和訳・英訳や国際取引法務のよろず相談的な対応もしております。また、中小企業さんの取引先や進出先は多岐にわたりますが、やはりアジアが多いです。

【土森氏】土森(つちもり)俊秀と申します。私も54期です。私は弁護士登録時より、国内案件・渉外案件両方を扱う事務所に8 年半ほどアソシエイトとして勤務しておりました。顧問先の上場企業の法務部からくる案件をとにかく何でもやるという事務所でしたので、会社法、金融商品取引法、M&A、会社関係訴訟などの仕事を多く扱いましたが、国際取引も相当数担当させていただき、アメリカのロースクールにも1 年間留学させていただきました。現在の事務所に参画したのを機に弁護士会の仕事にもかなり関わることになり、2 年ほど前から、日弁連の中小企業法律支援センター(中小センター)の委員をしております。中小センターで活動していく中で、中小企業が海外展開で非常に困っているという話を多く聞くようになってきまして、中小企業の海外展開支援問題というのに真剣に取り組む動きとなり、中小センター内に国際支援部会を平成23年の8月に立ち上げました。その後、武藤先生の外弁委員会や知財センターといった日弁連内の他の委員会と協働していく形で、平成24年1月に武藤先生から紹介がありました、中小企業の海外展開業務の法的支援に関するワーキンググループが発足しました。私は現在そのワーキンググループで、弁護士紹介事業担当の副座長を務めております。

【柳楽編集長】弁政連ニュース編集長の柳楽です。二弁の54期です。今日は54期の方が非常に多いですね。皆さんの華々しいキャリアのお話を聞いていて非常に肩身が狭くなる思いをしているんですが、私は典型的な町弁のドメスティック事務所です。国内と海外で違いはもちろんあるんでしょうけども、ある部分で共通している部分もあるんじゃないかなというような目線でお話に参加させていただければと思います。

小川広報委員会副委員長

【小川広報委員会副委員長】同じく弁政連の広報委員会の副委員長をしております54期の小川と申します。吉崎さんとは同じ事務所でパートナーをやっております。私も柳楽さんと同じように完全なドメスティックな事務をやっているのですが、どうしても取引先関係で生産拠点を海外に移さざるを得ないというケースが多数あり、実際ベトナムやタイ、フィリピンなど、営業所や生産拠点を作るという形でのご相談が増えてきて、たとえ国内プロパーでやっている弁護士としても今後はそういう問題は日常的に出てくるのかなと。それを「私は海外の話はわらかない」というようではこれからお客さんのニーズに応えられないという実感を日々持っております。

【出井幹事長】幹事長の出井です。期は40期です。私の仕事の関係は武藤さんと同じような、いわゆる渉外の事務所です。弁護士会の関係では日弁連の中小企業法律支援センターの設立の頃に関わっております。今日のテーマは、まさに国際業務、それから中小企業ということで私自身も興味深く参加させていただきたいと思っております。


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