弁政連ニュース

クローズアップ〈座談会〉

若手会員弁政連の活用を語る
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弁護士は政治家に何を提供できるか

【関口氏】法科大学院に在籍していた頃、隣接士業の方々が職域を広げているのを見てて、漠然と弁護士会ってもしかして政治力が低いんじゃないかというのは話題になりました。関口氏ですが、弁護士になって弁政連にいざ入ってみると弁護士は想像していた以上に政治家に対するアピールをしているんだということが分かってきました。後は支部の先生がお話しくださったことで、職域を広げようと必死の努力をなさっているんだという事が分かりました。このような事情は、もし弁政連に入らなかったら、なかなか私も関心を持てなかったし、分からなかったところじゃないかと思います。その一方で、今回の震災対応でいうと、全国の弁護士の先生方は懸命に手弁当で働いているのに、多くの国会議員の先生から、「弁護士はもっとアピールが大事じゃないか」と言われてしまうんですね。結局、国政選挙の時に存在感をアピール出来ないというところでそういう意見が出てしまうのかなとは思うのですが、そこは悩ましいところだなと思います。弁護士の人の送り方というのは、選挙の集票システムとして機能するというよりは、政治家がこういう政策をしたい、もしくは逆に社会にこういう問題があるから政治家に是非実現してほしいという、すごく理念的な動きになっていると思います。ただ政治家の先生方は個々の選挙のことを考えますから、政治家の先生にしてみれば、次の選挙のときにどれだけこの人たち、自分の力になってくれるだろうということが関心事になる。そういうところが特に医師会との対比で言われているんじゃないかと。ただ、そこをどう埋めていけばいいのか、難しいところですね。

【槇氏】私も同感です。弁護士はそんなに数が多くないわけで、さらに言うと福島県というのはすごく特殊で地域が分散しているんですね。たとえば懇親会で弁護士が20人参加したとしても、そのうち福島市の弁護士は8人、郡山市の弁護士は7人とかですね、そういうふうにバラバラになるとしたら、政治家からすると、会って握手して8票稼いだ7票稼いだ、というレベルの話で、やっぱり票という面ではあまりメリットが無い。むしろそこで我々が機能させたいのが先ほど話したサポータ制度です。公職選挙法であるとか、例えば議員立法をするにあたって弁護士が持っている情報とか、法律的な考え方とかそういったものを無料で使えると、ざっくばらんに聞ける、そういったようなことがサポータ制度の最終的な目標かと思っています。やはり医師会とか司法書士会とか他の士業のような集票システムには弁護士会はなっていない、今後も多分なり得ないんだと思いますね。その中でやっぱりいかに違うメリットを政治家の方々に提供できるのかというような切り口でやっていきたいなと思っています。

【出井幹事長】では好永さん。

【好永氏】そうですね、地方は、やっぱり先ほど槇先生がおっしゃたような感じで、その議員、衆議院なり県議なりとつながりをもっと持って、広島も、ゆくゆくはですけど。この間の定期総会には多くの県議・市議にご出席いただきましてですね。その時に支部長が言った話は、ゆくゆくは選挙の際に弁護士をボランティアに付けると。携帯電話の番号を使えて24時間も何か疑問があったら相談してくれと。こういう感じで要は議員が一番求めている時にお役に立ちましょうと。公職選挙法とかギリギリ心配な時とか選挙の最中に「これはどうなんだろうか、あれはどうなんだろうか」とか、選挙事務所に駆け込んで相談に来た人にすぐ対応できるようにと。そういうところで対応していくことが必要かなと思います。ただ、実際にはどの議員にどの弁護士をつけるかというのは、弁護士側の支持政党や主義主張などとのマッチングの問題があって、人数の少ない地方会では難しいところがあるかもしれません。ローテンションで回していくということになると、逆に議員の方もいやでしょうし、前自民党担当だった人がうちの党にきたとなると、いくら守秘義務があるからと言っても何かこうすごく気持ちが悪いですよね。東京ぐらい人数が多ければそれぞれ自分の主義・主張に合うように組み合わせられるんでしょうけど、地方になると難しいかもしれません。


支部と本部の連携強化を

【好永氏】あともう一つ思うのは、本部のほうで朝食会とかをやっているのを弁政連ニュースの記事で読むにつけて、そういうイベントをもっと地方と連携してやってくれればいいのにと思います。地方から見れば、何か雲の上でやっている話のようで、東京で開かれた朝食会が地方に全然繋がって来ないのではないかということです。たとえば広島出身の議員さんと朝食会をしているのに、そこに広島の弁護士が誰一人参加していない。議員の方は地元につながりを持ちたいはずです。ですから、朝食会や勉強会を企画していただいたらせめてその議員の地元の弁護士を弁政連支部に問い合わせいただいて、1人なり2人が参加できるようにさせていただくようにしていただければと思います。そこは今後是非お願いしたい。多分ほかの支部の皆さんも同じように思っておられるんじゃないですかね。槇先生どうですか。

【槇氏】まさに同じような思いを抱いています。先ほど少しお話ししたんですけど、先日、6月27日に原発の賠償の関係の院内集会に弁政連福島県支部からの立場で参加しました。そもそもそれは東京の弁護団が企画して下さった福島県選出の国会議員に対する賠償の状況の説明会ということでした。当然東京の先生が中心となっているところに福島から2~3名参加させていただきました。このとき、後で、東京の先生からも言われたことですが、地元の弁護士が来てくれたことによって国会議員は聞く気も起きるし反応も相当良かったということでした。だから、そういう意味では、先ほど好永先生がおっしゃったように本部で朝食会をやる時に例えば福島選出の国会議員とであれば、来れるかどうかは別として連絡いただいて、福島の弁政連からも参加していくということはいいことだと思いました。

【柳楽編集長】今の話は企画委員会のほうで是非よろしくお願いします。

【出井幹事長】本当におっしゃるとおりだと思います。

【小川広報委員会副委員長】逆にその地方から本部に対して、こんな企画を本部でやってほしいみたいな、提案機能というものがあってもいいかと思います。

【柳楽編集長】支部のほうから見ていて、これ東京でやってもらいたいとかですね、これは支部でやるより東京でやった方がいいのではないだろうかとか、そういうものはありませんかね。

【出井幹事長】まさにその原発の集会も、これは地方でもやらなきゃいけないし、中央でも関係しないといけない。

【関口氏】東日本大震災の時は、無数の通達が各省庁から出ました。それをきちんと整理して検索しやすくして、地方公務員の方達がスムーズに仕事を出来るようにしようと、かなりの時間をかけて弁政連の東京のメンバーでヤフージャパンと組んでボランティアの仕事をしました。あの時期やったことは、地方の弁護士の先生に対して、というより地方公務員の方達に対して、貢献できたのではないかと思っています。この例は、まさに地方はどういうことを欲しているのだろうと考えて動けていた例じゃないかと思います。ただ、毎回毎回そうやって朝食会の時に地方のことまで配慮してるかといえば、不十分だったかもしれません。

【出井幹事長】支部の活性化というのはこれは弁政連の組織的な大きな課題の一つです。建設的な意見を伺えたと思います。



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