弁政連ニュース

クローズアップ〈座談会〉

弁政連支部活動の成果と
新たな展開(6/6)

~若手ともに地域社会のニーズに応える~

政治家の立場にも理解を示す

【緒方広島支部長】実際に選挙の当事者になった人じゃなければ、票の重みは解らないと思うのです。我々は票もお金もないと言ったとしても、自分の一票とか家族の数票とか、或いは顧問先とか依頼者の関係の票はあるのです。選挙の当事者になった人でなければ絶対に実感できない票の重みというのを弁護士は頭の中でしか解らない。

やはり、1票の重みってよく言いますけれど、政治家にとって1票の重みは本当に重たいのです。それをやはり弁政連のメンバーは実感を持って把握してあげて、そして政治家の皆さんの気持ちを理解できるような人間にならないと心は通じません。そこはすごく大事なところだと思います。

そういう誠意というものがなければ自分達だけカッコのいいことを言って、都合のいいときだけお願いにきてということでは人は聞いてくれません。やはり本当に政治家の気持ちを理解する、そして絶対に心の根底で、お互いに敬意を払う、この部分が欠ければ心は通じないと思います。

そういう精神的なところも、若手に、僕は常に話をするようにしているのです。それを全国の弁政連が理解して頂きたいし、同時に福島の先ほどの実状なんかはもっとリアルなことが、弁政連を通じて各地方に全部具体的に即座に届けば、我々は広島の市会議員や県会議員に、福島は今こんなですよ、少しこちらでも何か決議してくださいということを言えるのです。そうしたこうアップトゥデイトな時に応じた協力体制を弁政連で出来ればいいと思いますので、その辺も本部機能としてお願いします。


弁政連の展望

【鈴木幹事長】緒方先生のお話は、誠にもっともなことでありまして、このご発言が弁政連ニュースに載るということが、正に、先生からのご要望に本部としましてもお応えするということになろうかとも思いますが、本当に、貴重なお話しを頂きまして有り難うございました。

お話をもっと伺えれば更にこの企画も充実するのですが、時間もそろそろ参りまして、それぞれ支部の活動は活発に動いているということで、課題なんていうそういう後ろ向きな部分は無いのかなという気もするのですが、さらに支部の活動が充実し、若手の参加も増えるということでもしこういうものがという課題がありましたら、皆さんの参考にもなると思いますので、一つずつお伺いできればと思うのですが、緒形先生から伺ってよろしいでしょうか。

【緒方広島支部長】今は、弁政連は露天掘りだと思います。いかに掘っていくか、もう鉱脈は地上に出ている。それを掘るためには今までの弁護士会という自分の中に染み付いた発想ではなく、普通の市民としてどこにでも行ってすべて取り上げていくこと。

私も今年で弁護士丁度40年目になるのです。今の若手が試験制度で翻弄され、そして合格者の人数で翻弄され、弁護士になってまた苦労する、このことに対しては先輩として、どんなことをしてでも何らかの援助をしたい、この思いだけで実は支部長の役を受けたのです。

そのためには、とにかくありとあらゆることをやろう、そう思ったら色々な考えが出てきまして、そして分担を決めて誰かが云々というのではなく、自分がやればいいと思うのです。自分が一緒に行こう、とにかく自分が動く。それから何回飯を食うか、何回人と会うか、露天堀りですからどこでもあるのです。そこに全部若手を配置していく、それで経験交流をさせてもらう、そうすればいくらでも出来ると思います。

法制化は弁護士の業務拡大の為の法制化の新しい法案をいっぱい出せると思います。例えば民訴がずっと変わってきたのですが、例えば3億円以上の契約に関しては、弁護士が立会をして動機まで調書にしてちゃんとしておくというシステムで、裁判になった時にその部分はかなり高い証拠能力があるというような一種の公証制度の法制化などはどうでしょうか。これなどは一例ですが、公証制度のバリエーションに富んだ創設を求めることは、業務拡大にもつながるし、具体的な提案はいくらでも出てきます。こういったことは、是非、日弁連と弁政連の本部の方で、業務対策にもなることを法制化させようという運動をすればいいのですから。

我々は地方として地方で出来ること、条例も一生懸命やりますから、国政レベルになりますとどうしても日弁連と弁政連本部が業務対策的に何か考えていただいて、それで運動するんだったら、皆さん、進んで国会議員に陳情に行きます。例えば、会社法の改正で、監査役の問題が出ているじゃないですか。あれは本部で監査役は弁護士じゃなければ駄目だと法律で決めてくれと、極端に言うとそういった交渉をしてほしいですよね。それをやるから皆動いてくれと言えば皆動きます。これも一つの例です。そんなのはいくらでもあるのです。

【鈴木幹事長】緒方先生、重ねて、具体的なご要望を頂きました。有り難うございました。

それでは、杉﨑先生、支部活動の課題と本部への要望をお願いします。

【杉﨑神奈川支部長】もう殆ど広島支部長がおっしゃってくれました。今日は非常に勉強になって、支部へ持ち帰る良いお土産をいただいたと思っております。

職域拡大はやはり、立法面での拡大と現場の日常生活での職域拡大と2つあると思うので、本部には立法面での方に力を入れていただいて、私達支部は現実の日常生活の中でどこへ飛び込んで行けば、どこに仕事があってそれをどういう方法で呼び込めるかという、こちらへ力を注ぐ。色々アイディアも会員の中から出てきております。

今までは神奈川支部の場合は、横浜弁護士会の会長、副会長を務めた人を誘い込むという面がありましたが、先程もお話ししましたとおり、若手の参加にスポットを当てた活動をして参りました一つの成果かと思いますが、弁政連の会員の中から理事者を作ろうという状況になりまして、去年、今年と続きまして、弁政連活動を一生懸命やってくれた人が、1人ずつ副会長になりました。

それと、今年か来年には実現しようとしているのは、横浜弁護士会の公益活動におけるポイント制において、弁政連活動もポイントが付くということを是非とも実現させたいと思っております。

それから、今まで弁政連本部でやっていただいたことで起爆剤になったのは、5年未満の会員の会費免除、広報活動では、自治体に入る弁護士、企業内弁護士の座談会企画です。横浜弁護士会でも自治体に相当数の人が入りましたし、企業内弁護士も出始めました。そしてこの弁政連ニュースを見て、こういう新しい分野もあるんだということに気が付いた若手の方が相当います。そこで、この起爆剤を一つやって後が続かないというのではなく、何か全国に共通するような、例えば日弁連大会の前日ですとか、地方で日弁連大会を2年に1度やっているのですから、その機会を利用して弁政連の総会も地方で開くということがあってもいいのではないかと思います。弁連大会の折りには、支部長クラスの人だけで懇談会をやっていますが、これも、若手会員にも出席を呼び掛けて頂いて、どんなことをやっているのか、若手会員にも実際に見てもらうような企画を弁政連本部でも立てて頂きたいと思います。

【鈴木幹事長】弁連大会の折りの懇談会は、支部未設置地域の解消を目的に行っていたものですが、確かに、支部未設置地域がなくなった近弁連や中国弁連などでは、弁連大会の折りの懇談会の持ち方も、もっと広く会員が集まれる形に変えて行く必要があるかと思います。

それでは、最後に恐縮ですが、福島支部の菅野先生、昨年1年間は、先生は弁政連福島県支部とも連携されながら、福島県会長として大変な激務をこなされた訳ですが、本部へのご注文も含めまして、最後にお話を頂ければと思います。


福島県支部―弁政連への期待の高まり―

【菅野福島県支部常務理事】福島県弁護士会の場合、例えばこの1年で会員が10名ちょっと減っているのです。推測なのですが、そのうち8割は原発が原因ではないかと思われるのです。また、登録換えを考えている人もいるのです。やはり小さなお子様がいる人とか、配偶者の意見もあってということかと思いますが、幸い、同じ数が入会されましたので、総数としてはそれほど変動はないという結果には終わっております。

それから、収入の減少というのは現実にありまして、これは仙台会でも同じだと聞いておりますが、弁護士自体が収入減と被災被害の影響を受けているというのがあります。

そういった中で、業種によっては、一部バブル的に結構お金になっている人も中にいるようです。また、原発賠償も法人については比較的なされていて、決算書で利益が下がった分については、ある程度賠償してもらえているという現状もあります。私は文部科学省のある幹部の方に会った時に、文科省の紛争解決センターの関係で、福島県弁護士会さんはいいじゃないですか、片方でこうなっているかもしれないけれど、原発事故の損害賠償事件がいっぱい出来たからいいじゃないかみたなことを言われるので、いやいやそんなことはありませんとお答えしました。皆様ご承知の通り、各地の弁護団は報酬5%でやっていて、福島県弁護士会の救済支援センターでは報酬は原則2%、ただ着手金があるので総合するとだいたい4%台くらいになります。そういう形で救済支援活動をやっていますと。県民自体、中々今の状況では、何とか元の状態に戻るということについて精一杯で、それ以上については望むべくもない状況です。

例えば、福島県は農業県ですから、暫定基準値を厳しくしましたが、それは当然だと思いますが、もちろん厳しくして賠償してもらった方が私はいいと思うのですが、非常に厳しい状況にあります。農産物を選ぶ場合、やはり誰もあえて福島のを選ばれないとしてもやむをえないと思うのです。そうしたダメージが今後何年続くのか、桃とか梨というのは福島の名産ですが、桃は別に山梨のを買ったって岡山のを買ったっていいわけですから、福島のを買う必要はないわけです。その他の分野でも、こういう中でどのように、将来どうなっていくのかというのが皆不安を抱えているわけです。

賠償を一時的に貰っても、今までの分だけという話ですから、その後の分をどうしてくれるかというのが全く不透明なので、そういった意味では福島県の状況としては、こうしたらいいのでは、ああしたらいいのではということが十分考えられない状態、少なくてもどうやったら元に戻れるのか、本当に戻れるのかというところなので、そういった中で復興、再建にあえいでいるのが実情です。

そんな中でも具体的に弁政連としてどうしたらいいのかということになると、それは県民の要望として復興とか再建をきちんとやってくれるような法体制を実現してほしいというのが、福島県の要望ですし、今まで立法されている法律では不十分だという思いが福島県民かなりの部分あります。もちろん十分な賠償を受けている人もいますが、大多数が今の立法や体制では不十分だと思っているので、何とかそれを実現する一役となるためには弁政連の本来の役割というのは非常に大きいのかなと。もちろん日弁連でも頑張らないといけないですし、弁政連も頑張らないといけないですし、我々も頑張らないといけないという思いでおります。

【平山理事長】特に、福島県の現状についてのお話は、弁政連本部としましても、重く受けとめまして、日弁連と連携し、本当に頑張らなければならない課題であると思います。

本日は、誠に、充実した座談会を終えることが出来ました。ご多忙のところ、ご参集頂きました緒方先生、杉﨑先生、菅野先生には、深く御礼を申し上げたいと思います。

この座談会が、今後の弁政連活動の発展にとって、一つの画期となることを確信しまして、私からの御礼とご挨拶とさせて頂きます。

(平成24年4年4月16日 於霞が関弁護士会館)

(平成24年4月16日 於霞が関弁護士会館)


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