弁政連ニュース

クローズアップ〈座談会〉

若手企業内弁護士大いに語る
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司会 鈴木善和 幹事長
柳楽久司 本紙編集長
小川晃司広報(委)副委員長

 


森田慈心会員

森田慈心 会員(現60期)
大阪弁護士会所属
大幸薬品株式会社
管理本部総務部
マネージャー

鈴木孝司会員

鈴木孝司 会員(新61期)
第一東京弁護士会所属
大和証券キャピタル・マーケッツ
(企業名は座談会当時のもの)
コンプライアンス部
コンプライアンス・オフィサー課 副部長

熊野敦子会員

熊野敦子 会員(新61期)
京都弁護士会所属
株式会社ワコールホールディングス
法務・コンプライアンス部

内田千恵子会員

内田千恵子 会員(新62期)
東京弁護士会所属
ソフトバンクBB 株式会社
法務戦略室

自己紹介~インハウスを選んだきっかけ

【鈴木幹事長】本日は、若手の企業内弁護士の方々にお集まりいただきました。まずは、組織内弁護士を志された動機、理由等を含めて自己紹介をお願いします。

【森田氏】現行60期の森田慈心と申します。修習後6ヶ月間普通の法律事務所にいたのですが、縁があって今の会社に入りました。2008年3月に入社しまして、今年の3月で4年が経過することになります。大幸薬品に応募したのは、大阪弁護士会のホームページで大幸薬品が社内弁護士を募集していたことを知ったのがきっかけです。もともと地方公務員を5年間やっていまして、組織に馴染んでいたということもあり、弁護士になるのであれば、組織の中で仕事をしたいという思いがあったものですから、組織内弁護士を選びました。

【鈴木氏】新61期の鈴木孝司と申します。大和証券キャピタル・マーケッツのコンプライアンス部に勤務しています。大学は理工学部を出て、信託銀行に入って14年間主に企業年金の営業や運用などを担当した後、名古屋大学の法科大学院に行って、平成21年の1月から今の会社で働いています。今の会社にはホームページからエントリーして、中途入社という形です。元々ロースクールに行く時からインハウスになるつもりでいました。その理由としては、大きな組織で働くことのダイナミズムに魅力を感じているからです。

【熊野氏】新61期の熊野敦子と申します。株式会社ワコールホールディングスに務めております。女性の方はご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、婦人下着等を中心とする製造メーカーです。本社は京都にありまして、基本的には本社勤務です。大阪大学の法学部を卒業して、京都大学のロースクールを出て、大阪で修習をして、そのまま関西の企業に入るという形で、ずっと関西で生活をしています。

【柳楽編集長】入社は何年になるのですか。

【熊野氏】2009年1月に入社いたしましたので、今4年目に入った所です。きっかけは、関西で生活したいということを強く希望をしておりましたので、修習生の間も大阪を中心に法律事務所を対象に就職活動をしていたのですが、新61期の時代でもそれなりに厳しく、既存の事務所、大阪の事務所だけに限定していては難しいのではないかと思いました。その中で、大学の先輩に紹介してもらった人材紹介会社の方と話をして、インハウスという働き方を恥ずかしながら初めて知りました。その方と話をしていくうちに、事件の始まりから終わりまで継続的に動いて行くことができるのではないかというところに興味を持ち、当社に入ったという経歴です。

【内田氏】ソフトバンクBB 株式会社の内田と申します。新62期で2010年1月入社です。経歴は熊野さんと全く同じで法学部を卒業して、既習でロースクールを出てそのまま修習にいって、就職というパターンです。元々企業法務をやりたいなというのをロースクールの頃から思っていて、当時まだインハウスというのを全く知らなかったので、普通に事務所に行くものだと思っていました。ところが、弁護修習先に以前在籍されていた先生がインハウスをされていて、その先生から色々お話を伺った中で、会社の意思決定や実際のビジネスに近いところで企業法務に携わりたいなと思うようになって、インハウスを選択しました。


担当している業務のあらまし

【鈴木幹事長】それでは、皆さんの担当されている業務の内容についてお話しいただけますでしょうか。

【内田氏】私の担当業務は契約書チェック、法務相談や訴訟対応、調査研究業務です。特徴的な業務は研究業務と法務渉外でしょうか。私が所属する法務戦略室は、事業活動を行うために手当てが必要と予想される法分野の調査研究業務やパブリックコメント等の法務渉外業務を行っています。監督官庁の解釈を中心に回る業界で、紛争が監督官庁と事業者だけで解決され、非常に重要な問題であっても議論がオープンになりません。そこで、法務スタッフがきちんとロジックを立てて問題点を訴訟等公の場で主張して、業界内部の事情を明らかにすることで、社会全体の利益になっていくのではないか、ということで研究会や書籍の執筆・出版をしたりパブコメを出しています。また、インターネットの分野は、業界の動き自体が速く、立法が未整備であっても、通信事業者として当社が求められる社会的責任があります。そこで、当社としてどのように考えるべきか、法的アプローチから研究会を行うこともあります。

【鈴木幹事長】では、熊野さん。

【熊野氏】日本のメーカーの場合、まだまだそういう所が多いのではないかと思っているのですが、当社では、社内での法務の位置が高いというような状況には、まだございません。ですので、何でも屋に近いです。株主総会の運営や毎月の取締役会の運営もやりますし、社内のマニュアルを作ってそれを周知するというコンプライアンスに関することもやりますし、日々の契約案件の審査を担当し、訴訟が起これば対応しますし、これを教えてと言われたことは基本的には何でも答える、といった状況です。具体的に私が担当しておりますのは、主に契約審査ですとか法律相談で、法律に関する質問は何でも来るということです。印紙を契約書のどこに貼ったらいいというような話から、実は独禁法の先端的なことにも関わるような相談であったりとか、本当に多種多様といいますか、あとはとにかくスピードが求められるかなというのは実感しています。

【鈴木幹事長】では鈴木さん、お願いいたします。

【鈴木氏】弊社は一応大手証券会社なので、例えばM&Aとか専門的なスポットには大手の事務所から2~3年単位で外部事務所からの出向弁護士がいる部署があります。私はコンプライアンス部に所属していて、営業とか商品部門のサポートをするような体制になっています。実際やっている仕事としては、様々な法律相談がやはり多いです。あとは官庁対応の準備などですね。最近は紛争対応も増えましたし、契約書の審査も若干やっています。一番多いよろず法律相談では、法律問題ではなくビジネスジャッジではないかなと思う部分も少なくありません。社内弁護士として、リーガルマターやコンプラマターを現場の実務を踏まえつつ、ビジネスジャッジの前提として検討することが求められているのかなと思います。

【鈴木幹事長】では、森田さん。

森田氏

【森田氏】私は総務部所属の法務担当として、契約書のチェック、管理などの契約書関係の業務や、株主総会の対応、規程の制定・改訂などの法務の仕事をさせてもらっているのと、知財関係の仕事もしています。具体的には、知財戦略会議や、発明委員会を当社は設けておりまして、その事務局業務を行ったり、昨年当社が提訴した知財の裁判も顧問の先生と一緒に、訴訟代理人として対応させていただいています。特徴的な業務としては、反社チェックというのがあり、新聞記事検索サイト等を用いて、新規取引先の反社チェックを私自らが行っています。また実際にはそのようなケースは今までないですが、取引先が反社だったことが判明したときの対応もおそらくすることになると思います。


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