弁政連ニュース

対談司法の役割と政治

政治主導で高まる期待― 弁護士議員―

階猛先生
階 猛先生
衆議院議員(岩手1区・民主党)
総務大臣政務官
岩手弁護士会所属(56期)
古川俊治先生
古川俊治先生
参議院議員(埼玉県選挙区・自民党)
内閣委員会理事
東京弁護士会所属(51期)

鈴木善和弁政連幹事長
司会 鈴木善和弁政連幹事長

【鈴木善和幹事長】本日は、古川俊治先生と階猛先生をお迎えして、広く「司法の役割と政治」というテーマで新春の対談をお願いしたいと思います。両先生は、奇しくも、2007年7月の同じ日に当選されて国会議員の道を歩み始めていらっしゃいます。まず、古川先生からお話しを頂戴できますか。

議員になるまで

【古川俊治議員】私は、参議院通常選挙で埼玉選挙区から自民党公認で立候補し、当選しました。私は、基本的にはずっと医師なんですが、先端医療や癌の告知、臓器移植等の課題に取り組む必要から、病院勤務の傍ら、通信教育で社会学(文学部)と法律学(法学部)を学び、司法試験にも1回で合格して弁護士になりました(51期)。また、弁護士の活動として医療事故の問題に関わり、お金の話、マネージメントについて勉強する必要が出て参りまして、オックスフォードに行ってMBA の資格を取りました。ただ、お金の話になりますと、制度、政治になります。医療事故ということがあり、医療を良くしていくには、診療報酬の問題をキチンとしなければならないという思いで、立候補致しました。

【鈴木】それで、当選されて、現在は、慶応大学医学部教授(外科医)であり同法科大学院教授であって、弁護士、更には参議院議員で、オックスフォードのMBA もお持ちであるというという、古川先生は、普通の人から見ますと、華麗すぎて手が届かないレベルにいらっしゃるわけですが、外科医として手術などもなさるんでしょうか?

【古川議員】国会が閉会しているときには手術もしております。また、法科大学院でも医事法が専門ですが教えております。

【鈴木】では、階先生、立候補するきっかけ等、お話し下さい。

階猛先生

【階猛議員】私の場合は、2007年7月の衆議院補欠選挙で岩手1区から民主党公認で立候補し、当選しました。先般の8月の衆議院総選挙で再選され、2期目です。私の場合は、長銀に入り、担保・倒産などの分野を担当することになり、この分野をちゃんとやっていけば職場の中で自分の存在意義を示せるのではないかということで法律の勉強を本格的に始めました。古川先生とは違って、私の場合何度か司法試験を受けたのですが、2001年に合格し、弁護士(56期)として、この頃は新生銀行になっていましたが、戻りまして社内弁護士として法務部次長として勤務していました。その後、ヘッドハンティングでみずほ証券に移っていたところ、岩手1区の達増先生(民主党)が岩手県知事になられまして、その補欠選挙に出ることになりまして初当選しました。この時の衆議院補欠選挙は、古川先生が当選された参議院通常選挙と同じ日に行われましたので、議員歴という点では、全く同じ日からスタートしたという関係になります。政権交代と言うことで、私の場合は、総務大臣政務官を務めております。

【鈴木】階先生は、体育会系であるという話も聞いておりますが。

【階議員】子どもの頃からずっと野球をやって来てピッチャーをやっていました。この世界に入って大事なのが体力、そして集中力ですから、これは非常に役立っています。

【鈴木】東大野球部で神宮でも投げられていたということですね。古川先生は、スマートで、私から見ますと、この面でもうらやましい限りですが。

【古川議員】私も実は、医学部の体育会でゴルフをずっとやってきて、シングルで、全日本の大会で2回優勝しました。それとマラソンも趣味でやっています。私は、細い、痩せているので候補になるときに色々言われたのです。お前大丈夫か?と。だけど、マラソンが趣味という話だから皆がそれはいいという話になりました。最後は体力、持続力ですから、スポーツをやっていたというのは、議員として活動する上で大いに役立っています。

専門知識の必要性、弁護士議員への期待

【鈴木】今、期せずして体力の話が出たのですが、弁護士であることは、政治の場で、どのように活かされまた評価されているのでしょうか。

【階議員】弁護士と同時に銀行員であったことが役立っています。金融と法律というのは国会議員の基礎知識ですよね。国会ってお金の流れを決めるところで、法律を作る場所ですから。

【古川議員】財政と経済、特に、マクロ経済の知識がないと経済政策はできないと思います。最低限、乗数効果とか消費性向というレベルの議論はできないことには困ると思います。そういうことでいいますと、政権交代をして、今、階さんも含めて、政務官レベルの人の人選が良くなったと思います。これも必要に迫られてのことだと思いますが、官と戦えるだけの知識と専門能力が求められるということだと思います。

【階議員】衆参併せて720人の議員が居るわけですので、単なる数あわせでは自分が議員になる意味はないと思います。法律と私の場合は金融ですが、ベースになる基礎的な知識と経験があって、自分はある程度貢献できるという自信がないとやれません。その意味で、弁護士であると言うことは、政治の場に挑戦するにおいてその動機を支えていたという面があります。

【古川議員】政治の形態が、政権交代、政治主導という形になってきますと、政権が交代して政策が思いつきのようにガラッと変わると言うことでは、本当は国民が不幸になります。この点では、法律、経済という面での国の政策の基本となる分野での専門性をもった議員が与野党を問わずいるということは、政治の安定に繋がるのではないでしょうか。この意味でも、今後は、益々、弁護士が議員になる必要性が高まってくると思います。

【鈴木】ところで、議員になられて、一言でその活動を振り返って貰うのも大変恐縮ですが、簡単にお話頂けますでしょうか。

 

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