弁政連活動日誌

平成26年7月

各政党との朝食懇談会報告

自由民主党(5月15日)

自由民主党との朝食懇談会報告 5月15日、自由民主党との朝食懇談会が開催された。自民党から、保岡興治議員、森英介議員をはじめ17名の国会議員の先生方にご出席いただき、弁政連及び日弁連側から、平山正剛弁政連理事長、村越進日弁連会長以下24名が出席する盛会となった。 保岡興治議員にご挨拶をいただいた後、日弁連側から、①災害復興問題への対応(災害弔慰金の支給・震災関連死の認定問題等)、②刑事司法改革(えん罪事件の防止策等)、③法曹養成問題(司法試験合格者数の見直し等)について説明・要請がなされた。 国会議員の先生方からは、各課題に対するご意見の他、一票の格差問題、犯罪被害者支援、弁護士の職域拡大、他士業の業法改正に関するロビイング活動の状況等について貴重なご意見・ご要望をいただいた。

(企画委員会副委員長 関口慶太)

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公明党(5月16日)

公明党との朝食懇談会報告 5月16日、公明党との朝食懇親会が開催された。山口那津男代表は、被災地復興や経済再生等、様々な現実的課題がある中で、集団的自衛権の議論に熱中するのは国民の期待に反すると述べ、与党協議に向けて慎重な姿勢を示した。また、北側一雄議員は、歴代の政府答弁との論理的整合性や法的安定性の確保という観点からの議論が必要だと指摘した。続いて、取調べの録音録画制度に関する法制審議会特別部会の試案に対して、遠山清彦議員から、例外事由等については議論の余地があるものの、基本的には歓迎するという意向が示された。さらに、石田祝稔議員から復興特別区域法に関する衆議院復興特別委員会附帯決議について、大口善徳議員から法曹養成に関する緊急提案について、それぞれ説明がなされ、井上義久幹事長がまとめの挨拶をされた。

(企画委員会副委員長 萱野 唯)

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民主党(5月22日)

民主党との朝食懇談会報告 5月22日に、海江田代表、大畠幹事長をはじめとして14名の国会議員の方のご出席をいただき、民主党と日弁連・弁政連の朝食懇談会が、ホテルニューオータニで開催された。憲法問題に関し、民主党の先生方は、立憲主義を守るという立場を明確にされ、集団的自衛権に関する憲法問題につき、どのように対応すべきか具体的に意見を述べられた。また、法曹養成問題に関し、ロースクール制度を改革していくという考え方と、予備試験を重視していくという考え方の双方のお立場の先生がそれぞれ率直なご意見を述べられた。これらの論点につき、重点的に貴重なご意見をいただき、充実した会合となった。

(企画委員会副委員長 加藤 賢)

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日本維新の会(4月25日)

日本維新の会との朝食懇談会報告 日本維新の会との朝食懇談会では、主に災害復興、刑事司法改革の必要性、法曹養成問題の3点について意見交換がなされた。 災害復興の面については、弁護士の役割について一定の理解が示されたように思う。刑事司法改革の必要性については、検察の見解と弁護士会の見解の対立について言及され、その他メディアとの関係について活発な意見が出された。法曹養成問題については、「『就職難』は甘えではないか?」という厳しい意見も出たが、概ね実状を理解してもらえたように思う。 日本維新の会の議員の方々はバックボーンも様々で、それぞれ独自の意見を持っていらっしゃることを強く感じた。

(企画委員会委員長代行 豊田賢治)

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みんなの党(5月7日)

みんなの党との朝食懇談会報告 5月7日、日本弁護士政治連盟主催で、みんなの党との朝食懇談会が開催された。みんなの党側からは、浅尾慶一郎代表、水野賢一幹事長、中西健治政調会長をはじめ9名が出席され、日弁連及び弁政連からは、村越進会長、平山正剛理事長以下25名が出席した。 意見交換では、日弁連要望事項のみならず、集団的自衛権、企業内弁護士の在り方、児童ポルノ等幅広い分野の議論が積極的に行われた。中でも、集団的自衛権については同党内での関心も高く、解釈論についての具体的な質問も出された。 同党は4月に代表が交代したばかりで、今後具体的な政策が変化する可能性もあり、その動向が注目される。

(企画委員会副委員長 松本常広)

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日本共産党(5月21日)

日本共産党との朝食懇談会報告 5月21日、日本共産党との朝食懇談会が開かれた。冒頭の挨拶において志位和夫委員長は「集団的自衛権の問題については、立場を超え、立憲主義の破壊だという点で協力していきたい」と連携を呼びかけた。また、山下芳生書記局長も、国民の過半数が集団的自衛権容認に反対しており国民的議論が必要だと述べた。 続いて、高橋千鶴子議員からは、復興特区法について柔軟なガイドラインを今後いかに作っていくか、との問題意識が示されるとともに、震災関連死については事案をしっかりと公表をすべきだという日弁連の提案に対して理解が示された。さらに、法曹養成問題に関しては仁比聡平議員から、給費制の復活が必要との意見が出された。

(企画委員会副委員長 萱野 唯)

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結いの党(6月4日)

結いの党との朝食懇談会報告 6月4日、日本弁護士政治連盟主催で、結いの党との朝食懇談会が開催された。結いの党側からは、小野次郎幹事長、柿沢未途政調会長をはじめ9 名が出席され、日弁連及び弁政連からは、村越進会長、平山正剛理事長以下20名が出席した。 意見交換では、小野次郎幹事長から集団的自衛権との関係で立憲主義を堅持していくべき旨の発言があったほか、各議員との間で法曹養成問題、被災者支援問題等について活発な議論が行われた。今後同党は維新の会との合併交渉という局面を迎えるが、日弁連とも政策面で一致する部分については今後とも協力関係を築いていきたいとの認識が示され、和やかなうちに会は終了した。

(企画委員会副委員長 松本常広)

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日本弁護士連合会からの説明

災害復興問題について

まず、震災関連死が直接死をすでに上回っている福島県、審査会を県に委託した市町村と独自に設けた市町村とで審査の平均時間や認定率に有意的な差が生じている岩手県、震災から6 か月以上後の震災関連死の申請受理件数自体が極端に少ないといった宮城県の各問題である。避難生活の解消・環境改善、合理的な規準の策定が課題である。

次に、4月に災害復興特別区域法改正法が可決成立した際に併せて採択された柔軟な運用を求める委員会決議に沿ったガイドライン策定の課題である。策定に際して被災自治体の意見を尊重すること、とりわけ任意交渉については、不可欠とはせず、交渉が必要だとしても面談にこだわらず郵便等書面による交渉で足りるようにすることがポイントと思われる。

(日本弁護士連合会副会長 内田正之)

災害復興問題についての資料をみる(PDF)

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刑事司法改革について

法制審議会刑事司法特別部会が本年4月30日から最終ステージを迎えている。日弁連は、えん罪を生まない刑事司法制度の構築を目指して、昨年1月に取り纏められた「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」の中のテーマについては、( 1 )全事件全過程の取調べの可視化、( 2 )全面的証拠開示、( 3 )人質司法の打破、( 4 )被疑者国選弁護の対象犯罪の拡大が最大限見通せる刑事司法改革がなされるべきであるとして審議に臨んできた。しかし、この基本構想には、捜査機関が強く求め、日弁連が反対している通信傍受の対象範囲の拡大や司法取引の導入も審議されており、要綱答申後の国会論議でも、えん罪を生まない刑事司法制度とされるよう各政党に要請した。

(日本弁護士連合会副会長 神 洋明)

刑事司法改革についての資料をみる(PDF)

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法曹養成制度について

法曹志望者の大幅減少という危機的状況を解消し、多くの人材が法曹を目指せる法曹養成制度を実現するため、日弁連は、司法試験合格者の減員、法科大学院の統廃合と定員削減、予備試験の制度趣旨に沿った運用、修習生等の経済的支援の4つを総合的に検討すべきであると考えている。すなわち、司法試験合格者数をまずは1500人程度まで減員するとともに、教育状況に問題を抱える法科大学院の統廃合と大規模校の定員削減を進める必要があると思料している。また、経済的問題を抱える人等の救済のルートのはずの予備試験の受験者の大半が学部生・法科大学院生等で占められており、運用の見直しが必須となっているし、法曹志望者の呼び戻し策として経済的支援の実現も喫緊の課題と考える。

(日本弁護士連合会副会長 髙中正彦)

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